本には載っていない飲食店開業

本には載っていない飲食店開業のすすめ

これから飲食店を開業しようと思う方やすでに経営してらっしゃる方に、有用な情報をお届けしたいと思っています。

めざせ飲食店開業!その5~厨房機器の選び方 基本編~

どうも、あに様です。

今回は厨房機器編です。

物件、内装業者が決まるとなれば、いよいよ次は厨房設備を購入します。

ここは私の専門分野でしたので、皆さんのお役に立てそうな情報をできるだけ細かくお伝えできればいいなと思っています。

これについては飲食を始める方にとって馴染みのあるものばかりですよね。

修行先などで使っているはずですので。

そんな方達にわたしがアドバイスできることがあるとしたら、

それはコストダウンとリスク管理です。

 

開業資金に余裕がある方は、当然全部新品でグレードの高い厨房機器を買った方がいいのは分かりきったことです。

耐用年数や電気代等を考えれば最新型の新品を買うに越したことはありません。

しかし、大手企業でもない限りなかなかそれができないのが現状なのではないかと思います。

資金には限りがあるからです。

そこで考えたいのは中古品の導入です。

 

近年では業務用厨房機器の中古販売をしている会社が増えつつあります。

全国チェーン店のテンポスバスターズなどが特に有名です。

www.tenpos.co.jp

厨房機器の年式等にもよりますが、この店で買ったものは10万円を超える中古品なら新品とほぼ同様の1年保証が付いてきます。

資金が少ない人にとっては安心してコストダウンでき強い味方になってくれそうですね。

実は私もこの店からよく購入しています。

しかも、全国チェーン店なので見に行った店に中古の商品がなくても、北海道から沖縄まで全国の店舗から取り寄せてくれたりします。

是非近隣の店舗に行くことをオススメしたいです。

 

ただ、ここで注意したいのは「じゃあ全部中古で集めよう!」と思ってるあなた。

それは少し待ってください。

 

結論から言うと、全て中古品で揃えるというのは非常にリスクが伴うんです

なので、どんな厨房機器なら新品がいいのか、中古がいいのかをアドバイスさせていただきたいのです。

それを厨房機器のカテゴリごとにまとめてみました。

大きく分けると5つです。

 

1.熱機器

例:ガステーブル、ガスレンジ、ゆで麺機、スチームコンベクションオーブン

鉄板焼器(グリドル)、フライヤー等

 

熱機器といっても一口に色々ありますが、実は最もリスクが高い部類です

電気式ならまだ10年以上持ったりするのでまだいいのですが、ガス式の場合は注意が必要です。

ガス式の熱機器は耐用年数が3年~5年のものがほとんどです。

年式、状態もよく価格が安くなければ中古はやめたほうがいいです。

理由は2つあります。

特にガス式のフライヤーとガステーブルはそもそも耐用年数が低いので、買って間もないのに壊れる確率が非常に高いんです。

また、もう一つの理由はこれらの機器は欲しい業態が多いので、

大変人気があり中古品でもあまり安くなりません。

中古品の価格は需要と供給のバランスで成り立っているので、

どうしてもそうなってしまうんです。

もう一度言いますが、ガス式の熱機器は新品がオススメです

 

2.冷機器

例:縦型冷蔵(冷凍)庫、冷蔵(冷凍)コールドテーブル、冷蔵(冷凍)ショーケース、冷凍ストッカー等

 

冷機器は熱機器と違ってほとんどのものが耐用年数10年程度となります。

大事に使っていれば実際には20年近く使えたりすることもあります。

つまり、中古を買うリスクが少ないのです。

しかも新品だとそれなりに高価なものばかりなので、

ここは全力で中古をオススメします。

ただし、年式だけはしっかりと店員さんに聞き、状態を自分の目で確かめてから買いましょう。また、食材のほとんどを入れる場所なので、冷蔵庫の扉を開けて庫内が臭くないかなどもチェックしましょう。

 

3.食器洗浄機

厨房機器の中では最も高価な部類になるのではないでしょうか。

お店の席数がだいたい40近くになるとこの食器洗浄機があるだけで飛躍的に作業効率が上がると言われています。

狭い店舗でも席回転が極めて早いラーメン屋などにも大活躍中ですね。

これも中古をオススメしたいです。

もちろん年式は注意してほしいところです。

タイプにもよりますが、だいたいの耐用年数は10年程度です。

あとこれが意外と大事なのですが電源が単相100Vものはあまりオススメしません

電力消費が半端ないので電気代がかかるという点となぜか100Vは壊れやすいからです。小さい電力で使うにはあまり向いてない機器なのではないかと推測されます。

よって、200V(動力ともいいます)のものを選びましょう。

動力の電気工事が必要になってしまいますが、長い目を見ればこちらの方が安全かつランニングコストの節約になります。

 

4.作業台、シンク

作業台とはステンレス製のテーブル。

シンクは食材や食器・鍋を洗う場所、いわゆる家庭で言うところの流し台です。

状態さえよければこちらも中古で十分でしょう。

ただし、板金類は一旦サビると一気に耐久性が落ちてしまいます。

サビがあまりないものを選びましょう。

また、厨房機器もそうなんですが厨房用設備というのは全て足が付いてて、

足が回るように設計されているはずです。

これはレベルを取る(水平にさせること)ためについています。

その足が周るかどうかをチェックしましょう。

特にシンクは元々水周りにあるものなのでどうしても足がサビつきやすく、たまに回らないものがあります。

回らないとレベルが取れないので、新しい足に交換してもらえるのか聞いておきましょう。

 

✩大事なポイント

保健所に営業許可証を発行してもらう際、シンクは基本1店舗につき2槽シンクを1個、それに加えて手洗い場(陶器製の物が多い)が1個必要となります。

場合によっては食器洗浄機用のシンクが1個ある場合、プラス1槽シンクがあればかまわないというところもありますし、繁華街などは狭い店舗が多いので手洗い場は必要ないよという場合もありますが、これは地域によって違います。

必ず管轄の保健所に確認をしましょう。

電話で聞けば教えてくれます。

 

5.収納棚

例:食器棚、吊戸棚、平棚、シェルフ棚、調理台(戸棚付きの作業台)等

 

厨房機器は皆さん買うことを想定していたりするのですが、こっちは意外と見落としがちなので注意が必要です。

こちらも板金類ですので、特にサビがなければ中古品で十分です。

新品を買うと意外と高いものなので、多少想定していたサイズよりも若干大きくても厨房に入るスペースがあるなら買うことをオススメします。

ただし小さいサイズになる場合は十分な収納スペースが確保できそうかをよく考えて選びましょう。

 

✩大事なポイント

知らない方も多いんですが、収納も保健所の審査対象です。

最低でも扉付きの棚が1個以上必要です。

明確なスペースの規定はありませんが店の規模に対してあまりに小さいとつっこまれる可能性もありますので、ある程度のスペースは確保しましょう。

実際に運営する時も 収納はいくらあっても困ることはありません。

 

 

いかがでしたでしょうか。

次は厨房機器の調理道具編ついてお話しようと思います。

では、また!