めざせ飲食店開業!その5~厨房機器の選び方 基本編~
どうも、あに様です。
今回は厨房機器編です。
物件、内装業者が決まるとなれば、いよいよ次は厨房設備を購入します。
ここは私の専門分野でしたので、皆さんのお役に立てそうな情報をできるだけ細かくお伝えできればいいなと思っています。
これについては飲食を始める方にとって馴染みのあるものばかりですよね。
修行先などで使っているはずですので。
そんな方達にわたしがアドバイスできることがあるとしたら、
それはコストダウンとリスク管理です。
開業資金に余裕がある方は、当然全部新品でグレードの高い厨房機器を買った方がいいのは分かりきったことです。
耐用年数や電気代等を考えれば最新型の新品を買うに越したことはありません。
しかし、大手企業でもない限りなかなかそれができないのが現状なのではないかと思います。
資金には限りがあるからです。
そこで考えたいのは中古品の導入です。
近年では業務用厨房機器の中古販売をしている会社が増えつつあります。
全国チェーン店のテンポスバスターズなどが特に有名です。
厨房機器の年式等にもよりますが、この店で買ったものは10万円を超える中古品なら新品とほぼ同様の1年保証が付いてきます。
資金が少ない人にとっては安心してコストダウンでき強い味方になってくれそうですね。
実は私もこの店からよく購入しています。
しかも、全国チェーン店なので見に行った店に中古の商品がなくても、北海道から沖縄まで全国の店舗から取り寄せてくれたりします。
是非近隣の店舗に行くことをオススメしたいです。
ただ、ここで注意したいのは「じゃあ全部中古で集めよう!」と思ってるあなた。
それは少し待ってください。
結論から言うと、全て中古品で揃えるというのは非常にリスクが伴うんです。
なので、どんな厨房機器なら新品がいいのか、中古がいいのかをアドバイスさせていただきたいのです。
それを厨房機器のカテゴリごとにまとめてみました。
大きく分けると5つです。
1.熱機器
例:ガステーブル、ガスレンジ、ゆで麺機、スチームコンベクションオーブン、
鉄板焼器(グリドル)、フライヤー等
熱機器といっても一口に色々ありますが、実は最もリスクが高い部類です。
電気式ならまだ10年以上持ったりするのでまだいいのですが、ガス式の場合は注意が必要です。
ガス式の熱機器は耐用年数が3年~5年のものがほとんどです。
年式、状態もよく価格が安くなければ中古はやめたほうがいいです。
理由は2つあります。
特にガス式のフライヤーとガステーブルはそもそも耐用年数が低いので、買って間もないのに壊れる確率が非常に高いんです。
また、もう一つの理由はこれらの機器は欲しい業態が多いので、
大変人気があり中古品でもあまり安くなりません。
中古品の価格は需要と供給のバランスで成り立っているので、
どうしてもそうなってしまうんです。
もう一度言いますが、ガス式の熱機器は新品がオススメです。
2.冷機器
例:縦型冷蔵(冷凍)庫、冷蔵(冷凍)コールドテーブル、冷蔵(冷凍)ショーケース、冷凍ストッカー等
冷機器は熱機器と違ってほとんどのものが耐用年数10年程度となります。
大事に使っていれば実際には20年近く使えたりすることもあります。
つまり、中古を買うリスクが少ないのです。
しかも新品だとそれなりに高価なものばかりなので、
ここは全力で中古をオススメします。
ただし、年式だけはしっかりと店員さんに聞き、状態を自分の目で確かめてから買いましょう。また、食材のほとんどを入れる場所なので、冷蔵庫の扉を開けて庫内が臭くないかなどもチェックしましょう。
3.食器洗浄機
厨房機器の中では最も高価な部類になるのではないでしょうか。
お店の席数がだいたい40近くになるとこの食器洗浄機があるだけで飛躍的に作業効率が上がると言われています。
狭い店舗でも席回転が極めて早いラーメン屋などにも大活躍中ですね。
これも中古をオススメしたいです。
もちろん年式は注意してほしいところです。
タイプにもよりますが、だいたいの耐用年数は10年程度です。
あとこれが意外と大事なのですが電源が単相100Vものはあまりオススメしません。
電力消費が半端ないので電気代がかかるという点となぜか100Vは壊れやすいからです。小さい電力で使うにはあまり向いてない機器なのではないかと推測されます。
よって、200V(動力ともいいます)のものを選びましょう。
動力の電気工事が必要になってしまいますが、長い目を見ればこちらの方が安全かつランニングコストの節約になります。
4.作業台、シンク
作業台とはステンレス製のテーブル。
シンクは食材や食器・鍋を洗う場所、いわゆる家庭で言うところの流し台です。
状態さえよければこちらも中古で十分でしょう。
ただし、板金類は一旦サビると一気に耐久性が落ちてしまいます。
サビがあまりないものを選びましょう。
また、厨房機器もそうなんですが厨房用設備というのは全て足が付いてて、
足が回るように設計されているはずです。
これはレベルを取る(水平にさせること)ためについています。
その足が周るかどうかをチェックしましょう。
特にシンクは元々水周りにあるものなのでどうしても足がサビつきやすく、たまに回らないものがあります。
回らないとレベルが取れないので、新しい足に交換してもらえるのか聞いておきましょう。
✩大事なポイント
保健所に営業許可証を発行してもらう際、シンクは基本1店舗につき2槽シンクを1個、それに加えて手洗い場(陶器製の物が多い)が1個必要となります。
場合によっては食器洗浄機用のシンクが1個ある場合、プラス1槽シンクがあればかまわないというところもありますし、繁華街などは狭い店舗が多いので手洗い場は必要ないよという場合もありますが、これは地域によって違います。
必ず管轄の保健所に確認をしましょう。
電話で聞けば教えてくれます。
5.収納棚
例:食器棚、吊戸棚、平棚、シェルフ棚、調理台(戸棚付きの作業台)等
厨房機器は皆さん買うことを想定していたりするのですが、こっちは意外と見落としがちなので注意が必要です。
こちらも板金類ですので、特にサビがなければ中古品で十分です。
新品を買うと意外と高いものなので、多少想定していたサイズよりも若干大きくても厨房に入るスペースがあるなら買うことをオススメします。
ただし小さいサイズになる場合は十分な収納スペースが確保できそうかをよく考えて選びましょう。
✩大事なポイント
知らない方も多いんですが、収納も保健所の審査対象です。
最低でも扉付きの棚が1個以上必要です。
明確なスペースの規定はありませんが店の規模に対してあまりに小さいとつっこまれる可能性もありますので、ある程度のスペースは確保しましょう。
実際に運営する時も 収納はいくらあっても困ることはありません。
いかがでしたでしょうか。
次は厨房機器の調理道具編ついてお話しようと思います。
では、また!
めざせ飲食店開業!その4~内装業者の選び方~
どうも、ブログのタイトルを4日目にしてサラっと変えてしまえる男、あに様です。
世の中には飲食開業向けの本っていっぱいあるんですけど、
できるだけ本に載っていないようなことを書こうと思ってこのブログ始めています。
ですので、その気持ちをそのままタイトルにしてみました。
単純だね。
さて、今回の本題です。
内装業者の選び方です。
ところで内装業者の選択って、私が思うに一番難しい仕事だと思います。
それはなぜか言いますと理由は主に2つあります。
ひとつは相場が非常に曖昧であることです。
飲食開業本とかにはとにかく相見積りをせよと書いてあります。
それ自体はもちろんやったほうがいいのですが、ただそれをやったところで安いのか高いのかを素人が判別するのは非常に難しい話です。
スケルトン店舗(内装造作が全く残っていない店舗)で坪単価30万~50万ぐらいが相場ですとか本にも書いてあったりしますが、素人からすれば1坪で20万も相場が変わるのかよってなりますよね。それに凝った内装で作るのかシンプルでいい内装なのかによっても価格はかなり違ってくるわけです。
つまり、内装の相場なんてあってないようなものです。
もうひとつは営業担当によって対応はピンキリだからです。
内装業者だけでも色々ありますが、さらにその会社内で営業が何人かいるわけです。
彼らは経験も知識もバラバラですし、人間性ももちろん違います。
どんな人が自分に合っているかは人それぞれかもしれませんが、
少なくとも信用できる人がいいですよね。
でも、知り合いでない限り大抵は初対面です。
つまり、人を見抜く力が必用になってくるわけです。
それではいったいどうやって選べばいいのでしょうか。
あに様流でポイントをまとめてみました。
- 1.店舗内装の経験を見る
- 2.概算見積りで相見積りを取る
- 3.営業の対応の仕方を見る
- 4.営業のスピード感を見る
- 5.見積内容を確認し、不明な点を洗い出しておく
- 6.内装業者の候補を絞って話を詰める
- 7.支払い方法の確認と手直し対応についての確認
1.店舗内装の経験を見る
まずはこれが一番大事です。
そもそも飲食店舗の内装工事経験がないところはオススメしません。
飲食店の工事というのは単純にデザインがよければ良いってものではないからです。
飲食経験の方ならお分かりだと思うのですが、飲食における工事の内容は内装以外にも、電気工事、水道工事、ガス工事、設備(空調等)工事が付随してきます。
多くの方は内装屋にこれらを一括して任せることが多いのではないでしょうか。
住宅専門で内装をやられてる業者では設備関係の知識が浅いため問題が生じる場合があります。
シンクの取り付け一つだって、排水工事と給水工事が必要です。
例えば水道の蛇口は壁から出すのか、シンクに穴を開けて出すのかとか、排水の位置は邪魔にならない場所に設置されているかとか、そんな細かいことにまで精通していないといけません。
でないと、さいあくせっかく買った厨房機器がその場所に入らない、使えない、なんてことになりかねないからです。
私が厨房屋時代にお客様のところで実際にあった話ですが、
内装業者が満面の笑みで「工事完了です!」と言ってきたので店を見てみたら、
スタッフルームの鍵がなぜか内側ではなく外側(つまり店舗側)についていたというようなことがありました。
お客さんもまた満面の笑みで言います。
「スタッフが客に閉め出される部屋って、どういうプレイなのそれ?」
あに様、笑いを堪えることができませんでした。
内装業者が飲食店舗の経験があるのか、又はあるとするならばどこの店を手がけたのかぐらいは聞いてみましょう。
できればそこが手がけた店舗を一度は見に行くことをオススメします。
2.概算見積りで相見積りを取る
開業するにあたってみなさんは当然予算組みをすると思います。
そのたたき台としてまずはいくつかの内装業者に概算の見積を出してもらいましょう。
多ければいいってものでもないので3社程度から取るのが理想です。
それとそれぞれの業者には相見積りをするということをきちんと伝えましょう。
伝えないと業者によっては「ふっふっふ、こいつぁはカモだな」
とか思われてめちゃくちゃ高い価格でふっかけてくるところもあります。
あくまで概算の見積りなので、細かい話は任せる内装屋が決まってからとなりますが、
思いつく要望はしっかりと伝えましょう。
先ほど語ったように相場なんてものはあってないようなものと語りながらなぜ複数社から見積りを取るのかといいますと、その業者がどんなアプローチをしてくるのかというところを見るためにあります。詳しくは次から語っていきます。
3.営業の対応の仕方を見る
見積りをする際は必ずその業者の営業担当と話をしていくことになると思います。
まずはその担当の反応を見ましょう。
最初にこちらが要望を伝えます。問題はその後です。
その方がこちらの要望をしっかりと聞いてくれているかを見ます。
良い営業さんというのはこちらの要望を最大限に引き出してくれる、形にしてくれる方です。会話の仕方を例にするとこんな感じです。
※良い営業さんの場合
「~はどうされますか?」「~はどうしたいですか?」
※良くない営業さんの場合
「~はこうしたほうがいいですよ」「~はこうしましょう。その方がいんで」
お分かりでしょうか。
良い営業さんはだいたいこちらの意図を確認しにくる感じです。
対してそうでない営業さんは自分がやりやすい方向へ誘導しようとしています。
私も厨房屋時代に色んな内装屋さんとお付き合いしましたが、
中には上から目線で「こうしろああしろ」と言ってくる方も本当にいます。
ですので、その方が真摯にこちらの要望と向き合ってくれているかを観察しましょう。
結局、自分がその方を信用できなければ付き合っていても不快な思いをするだけです。
それに内装工事代は開業費用の中で最も金額が大きい部分です。
下手な選択をすれば、後で後悔するのは自分です。
4.営業のスピード感を見る
まずは単純に見積りを何日で作ってくるのかを見ましょう。
概算の見積もりであれば早いところなら1週間以内に持ってきます。
ちなみに私がお付き合いしてる内装屋さんは1店舗目の見積りをお任せした時、5日で持ってきました。早いな、と思ったのをよく覚えています。
概算見積で2週間を超えるとなると、さすがに少し時間がかかったなと思ってもいいでしょう。
なぜこんなことを気にするのかいうと、
私の経験上見積りが遅い担当者は何をやっても遅いからです。
例えば、そこにお任せすることになったとしてこれから色んな事を打ち合わせしたり、連絡をしていかなければならないわけです。
その対応がいちいちモタついていたらオープンは遅れますし、工事上取り返しがつかないような事案も出てきかねません。
ですので、こちら側に時間の余裕があったとしても相手側のスピード感は大事です。
遅れるにしてもきちんとした方は「少し遅れます。あと○日ぐらいください」ぐらいの一言や中間報告をくれるはずです。
5.見積内容を確認し、不明な点を洗い出しておく
まず大前提としてきちんと細かく項目ごとに見積価格が表示されているかを見ましょう。
下記サイトにアップされている写真のようになっていればよいと思います。
内装工事○○万円、設備工事○○万円、電気工事○○万円とざっくり書いてあるような業者は論外です。業者が親戚や友達でもなければ普通は信用できません。
そして、いよいよ各社の見積りが出揃ったらまずはそれらを比較し、気になる点を洗い出してみましょう。
例えば、A社ではあるのにB社ではない項目があるとか。
同じような工事項目なのに価格が随分違うな、とかあると思います。
それらがなぜなのかを聞いてみましょう。
相手も相見積りすることは知っているはずですから、そこは変に気を使わなくても大丈夫です。ストレートに聞いてしまってください。
その理由が納得できるものならそれに越したことはありませんし、納得できなければ交渉の余地があるのかどうかも聞いてみましょう。
また、この確認作業で本来なくてはならない工事内容がきちんと含まれているかというチェックも同時に行えます。
6.内装業者の候補を絞って話を詰める
上記までの作業をしていけばおのずと内装業者の候補が絞れてくるのではないかと思います。最後は自分で判断することですが、価格だけの印象ではなく、ここなら信用できると思うところに決めましょう。
最終的に任せる業者を決めたら今度は本見積りに入ります。
今後、工事業者とは何度も顔を合わせるでしょうし、非常に多くの時間を要します。
自分の要望と業者の受け取っていることに差異がないかよく確認しましょう。
ここでのポイントは、自身の創業計画書(コンセプト部分)や、自分がイメージしている内装写真をネットなどで見つけて業者に見せると相手に伝わりやすいと思います。
また、要望はこの時点でできるだけ細かく伝えましょう。
トイレをつけてください、だけではどんなトイレが出来上がるかわかりません。
例えるならば、ウォシュレット付きの洋トイレでお願いしますと伝えなければなりません。
壁紙や床、カウンターなどのデザインについてはだいたい向こうからどんな感じにしますか?と聞かれると思うのでいいのですが、細かい部分はできるだけ先に伝えておきましょう。
特に注意したいのは収納などですね。
私の経験上、収納スペースの確保まで考えてくれる業者は存外少ないです。
相手は工事のプロではあって、飲食のプロではないからです。
例えば、内装屋に木棚を作ってもらうのか、ステンレス製の棚を厨房屋で購入しそれを内装屋に取り付けてもらうのか、またそれらをどこに取り付けるのか、この辺ははっきりしておいたほうがいいでしょう。
工事費にも影響しますのでここは要注意です。
7.支払い方法の確認と手直し対応についての確認
まず支払い方法ですが、内装工事代となると何百万、何千万単位になりますのでほとんどの場合キャッシュで振込みとなります。
ただ、注意したいのは何回払いなのかということです。
これは基本中の基本なんですが、工事前の一括払いという条件提示をしてくる業者はあまり信用しない方がいいです。
その業者のホームページで「実績があります!」とか書いてあってもやめましょう。
支払いは2~3回に分けるのが一般的です。
着工時で50%を超える支払いをしてくれという業者もややリスクが高いです。
2回なら普通は着工時50%、引渡し時50%が一般的ですし、
3回ならば3分の1づつ、あるいはそれに近い形になると思います。
ここは内装価格の大きさとリスクを考えながら、安全な業者にお任せしましょう。
借入する方は、それを理由に支払いタイミングを交渉しても良いと思います。
工事内容を見てもいないのに、先に全額支払うことだけは絶対避けましょう。
これはどんなに信用できる業者でも私ならやりません。
工事というものは物件によっても様々な事情が変わってくるからです。
最後に手直しについてです。
手直しというのは、工事が終わった後に細かい部分を修正してもらうことです。
例えば、扉の建て付けが悪かったり、水道の蛇口の位置が悪るくて使いにくいという事案が出てこれば修正してもらわなくてはなりません。
ここで気をつけたいのはどこまで無償でやってもらえるのか、いつまでならやってもらえるのか、ということです。
ここはできるだけ細かく聞いておきましょう。
請負契約で定めた内容通りにできていない部分や、傷、欠陥、欠点などのことを瑕疵(かし)と言います。請負業者が行なった仕事でこの瑕疵があった場合は、工事業者がその責任を負うことになります。
そして、その修正責任を負う期間のことを瑕疵担保期間と言います。
法律では瑕疵があった場合、修正をお願いするなら1年以内にすること、と定めています。(ただし、契約書を交わせば、この期間については延長は可能です)
これを知らない方は意外と多いんじゃないかと思います。必ず覚えておきましょう。
着工前に必ず契約書にこの内容が盛り込まれているかもチェックします。
ただし、この瑕疵についてはどんな場合でも適用されるわけではありませんのでご注意ください。法律でもこう定めてあります。
「瑕疵が重要でなく、かつ、その補修に過分の費用がかかる場合は補修を求めることができない。(民法634条1項但書)」
上記に該当する場合、損害補償請求はできますが補修は求めれません。
つまり、簡単に言うと、
設計図や契約書に書いてないような重要性が低い部分は補修不可。
また、それを補修することで巨額な費用が必用となる場合は補修不可。
ということです。
参考になったでしょうか!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
めざせ飲食店開業!その3~物件の探し方~
どうも、あに様です。
前回はコンセプトについてでした。
ビジネスの形的な部分だけでしたので、これからはより具体的な内容を書いていきたいなと思います。
コンセプトといっても、実に色んなことを決めなければいけないんですよね。
ターゲット、立地、価格、商品、内装、接客の仕方、考えることは山ほどあります。
そして、今回の話はその中でも「立地」の部分。
ビジネスの形を決めたら、まず最初にやることは物件探しですよね。
箱がなければお店はできません。
自身でビルでも所有しているようなブルジョワな方々は良いのですが、
普通は場所を借りるなり買うなりしなければならないわけです。
よくこんな言葉を耳にします。
「立地ってやっぱり大事だよね」
店舗ビジネスで活躍してる方なら、アルバイトさんですら聞いたことあるセリフかもしれません。
例えば立地が悪いから売れないんだよねきっと。みたいなことです。
確かに立地は売上を作る要因として無関係ではありません。
ただ、ここで一番大事なのは立地が良ければ絶対流行るわけではなく、
悪ければ失敗する確率が上がるという感覚を持つことです。
あなたがやるお店が本当に魅力に溢れていたら、
ぶっちゃけどんな立地でも流行ります。
見たことありませんか?こんな立地で繁盛店!?みたいなお店。
人通りが少ないのにわざわざお客さんが通ってくる店。
住宅街のど真ん中や山のど真ん中にあるのにすごく流行ってるお店。
だから、人通りが少ない場所や道路から見えにくいような物件では絶対流行らない、
とは一概には言えません。
ただ自分のお店が良店かどうかは自身では決めれません。
それはお客さんが決めることです。
つまり、評価は結果ですのでそれはオープンしてみないとわからないのです。
ならばせめて、リスクを最小限に抑え少しでも繁盛店になる確率を上げたいところです。
開業される方は誰もが失敗したくないと思っているはずです。
では、どのように、何を基準にして選べば良いのかということですよね。
物件探しのポイントを以下にまとめてみました。
1.自身の足で調べる
今は情報社会なので物件情報というものはある程度ネットで調べることができます。
家賃や周辺の地図ぐらいはすぐに見れます。便利な世の中ですね。
私自身もネットでまず調べたりすることは多いです。
しかし、気になった物件は必ず自身の足を使って見に行き、周辺の様子を探ります。
これは人任せにはしない方がいいでしょう。
不動産屋さんがオススメだよ!と言ってるからといって全て信用するのはリスクがあります。彼らはプロではありますがそれはあくまで売る技術がすごいのであって、とにかく実績が欲しいのでどんな物件でもその物件の良いところを推して大抵オススメって言います。その担当にもよりますがこちら側に親身になってくれる方は少ないと考えたほうがいいでしょう。まあ、それが仕事なので。
でも、実際にその物件を見ると写真で見るよりも思ったより綺麗じゃなかったり、車通りは多いけど店舗の前に雑木林があって車からは実は見えにくかったり、焼き鳥屋をやろうと思ってるけどそこに行ったら住宅が密集していて匂いで住人から拒否られそう、とかそんなことはよくある話です。
ですから、実際に自身の目で見て色々な角度からその立地を見てみる必要があります。
何より、自分のお店のイメージがその土地に合うのかどうかは大事なことです。
次からの項目で具体的な内容を語りたいと思います。
2.人通りと客層を調べる
当然ですが人通りが多い立地の方がお客さんが来店してくれる機会は増えます。
例えば自分が1年以上の回転資金を持っていて、じわじわ口コミで店の評判が上がればいいと思ってる方はそこまでこれにこだわる必要はありません。
質にこだわる店はお客さんにウケれば勝手にSNSなどで評判が高まり集客ができてしまうからです。
ただ、2,3ヶ月ほどの回転資金しかない場合はそれこそオープンしてすぐにある程度の売上と利益が生まれないと潰れてしまいますよね。
そういう場合は特に人通りがどれぐらいあるのかが重要です。
それこそ自分がその物件の前でカウントしてもいいと思います。
面倒なら業者に交通調査の依頼をしてもいいでしょう。
ただ、営業時間になるであろう時間には自分で一度は見に行くことをお勧めします。
なぜなら客層までは業者もカウントできないからです。
見るべきポイントは道を通る人はどんな人が多いのか。
学生なのか、女性なのか、男性なのか、会社員なのか、会社員ならどんな仕事をしている人達なのかまでは自分の目で見ないとわかりません。
ここで大事なのは、調べた結果が
自身のコンセプトとターゲットに合っているかどうかということです。
例えば焼鳥屋さんや和食屋さんをやるのに、ほとんど学生しか通らない場所であるならばそれはやはり不利と言わざるをえません。
たこやきと一緒にタピオカドリンクでも販売していた方がよっぽど儲かるかもしれません。
自分の店にどんなお客さんが似合うのか、又はいてほしいと思うのかという感覚でイメージしてみましょう!
3.競合店を調べる
これもやはり半径1キロぐらいは実際に歩いて調べてみましょう。
何店舗あるのか、価格設定はどうなってるのかはまずメモっておきましょう。
また、実際に店に入ってみるのが一番いいです。
味のクオリティやメニュー構成、客入りを実際に見ることができますから。
同じ業態が周辺に数店舗あるのにも関わらず、客入りがどこも微妙だったらそれはもうかなりしんどい戦いになりそうですよね。
ただ、ここで勘違いしてはいけないのが競合店が多い方が不利、少ない方が有利という固定観念を持つことです。
こう思ってる方って実は結構多いんです。
確かに競合店が少なければその分お客さんの来店機会が増える気がしますよね。
私にも記憶がありますが、厨房屋時代のお客さんでお昼をあまり食べるところがない土地で定食屋を開いたら大繁盛をしたという例があります。
ただ、その場所にそもそものニーズがないとダメなんです。
その定食屋の周りには工場がいっぱいありました。
働いている人はいっぱいいるのに飯屋が全然なかったんです。
だから良かったんです。
例えば飲み屋横丁のような場所なら、飲みに行くという明確な目的を持ったお客さんがわんさか来るわけです。
こういう場所ならば競合が複数店舗あっても商売になります。
むしろ、同じ業態でもメニューやサービスの仕方に差別化を図ればいいだけです。
ニーズがあるということがわかっているのですから。
もちろん家賃等の条件は無視できませんが。
大事なことはニーズとその土地のキャパを測ることではないでしょうか。
4.価格を考える
価格というのは具体的に言うと物件取得費と物件のランニングコストを指します。
物件を取得する際、家賃は誰もが気にするところだと思います。
家賃は毎月掛かる費用なのでランニングコストに当たります。
ただ、一番お金がかかるところは実のところ物件取得費です。
これは開店する際の初期費用として考えていきます。
物件取得費の中には前家賃、保証金、仲介手数料などが主に挙げられます。
実際には保険に入らなければいけなかったり、共益費が必要だったり、居抜き店舗ならば造作譲渡金が発生する物件もありますが、価格が大きい部分は上記の3点です。
詳しいことは下記URLをご参考ください。
中でも保証金が一番大きいですね。
基本家賃をベースに、家賃×3~家賃×10ぐらいまでが一般的です。
家賃10万円なら、30万円~100万円ということですね。
なぜそんなに違うんだ!
と思われた方も多いと思います。
これは繁華街や観光地のような好立地ほど高く、郊外に行くほど安くなる傾向にあります。いずれにしても結構大きな金額ですよね。
当然ですが自分の予算から払える金額を想定していかなければなりません。
保証金は場合にもよりますが、退去に時減価償却費を差し引いて戻ってきます。
しかし、全額なんてまず戻ってきませんし、ほとんど戻ってこない場合もあります。最初から戻ってこないお金、ぐらいの感覚を持っていたほうが安全です。
まずこれを払えることを前提にして、次は家賃が適切なのかを考えていきます。
家賃の相場は普通、坪単価で考えていきます。
地域にもよりますが、ロードサイド(住宅地寄り)なら1坪あたり1万以下のところが多いですが、繁華街なら2万~3万、それ以上の場所だってあります。
でも何が安くて高いのか、物件の条件にも寄りますし存外わかりにくいですよね。
たいせつなことはその家賃が、自分の商売で払えるかどうかという感覚で考えることです。
つまり、坪単価いくらだから安い!ではなく、
この金額なら払えるかなという感覚で選ぶということです。
そんな感覚でいいの?って思うかもしれませんが、
客単価と回転数を考えれば売上は予想できますよね。
その売上から払えるかどうかはある程度予想がつくはずです。
あとは人通りや周辺にどんな施設があるのか、駅からの距離や箱自体の状態などを総合的に見てその価格で自分が納得できるものなのかを考えましょう。
5.良物件を探すコツ
先ほど物件はネットから見れるという内容は書いたと思いますが、
しかし本当にいい物件はすぐに決まってしまうものなんです。
現在借りている人が出て行く時点で、すでにもう次の経営者が入ることが決まっていたりすることもしばしばあります。
つまり、本当の良物件はネットに出てきません。
では、そのような良物件にどうやったら出会えるか、ということです。
答えは簡単です。
不動産屋に自分の足で周ることです。
電話で問い合わせをするだけではダメです。
これは私の実体験から言う言葉です。
当然ですが、物件の動きは不動産屋が握っています。
中には不動産兼内装屋なんていうとこもありますが。
実際に会って名刺のひとつでも渡してくること自体に価値があるのです。
不動産屋だって人間です。
売りたいと思うお客さんもいれば、売りたくないというお客さんもいるのです。
まずは自分のビジネスへの本気度と人間性を見てもらいましょう。
時期にもよりますが不動産も忙しいのです。
もしその担当者が自分のことを気に入ってくれれば一生懸命探してくれますし、
まだ公開されていない鮮度のいい物件情報を紹介してくれたりします。
実は私が今の事業で1店舗目の物件を取得できたのは、内装屋さんからの紹介でした。
他の物件で一度見積りをしていただいたんですが、色々な都合がありその物件を諦めなくてはならなかったのです。
するとその直後、その内装屋さんからとても良い物件を紹介していただきました。
それはどこの不動産屋にも出ていないような物件でした。
家賃は破格、箱の状態もよく、ロケーションも私が考えているコンセプトにとてもマッチしていたんです。
私はその物件に一目惚れし、すぐにそこでやることを決めました。
私は前の物件で見積りをしていただく際、コンセプトを記した書面をこの内装屋さんに渡していました。どうもその内容を気に入ってくれたようでした。
飲食業は人との繋がりが大事な業種です。
たいせつなことはすでにもうこの時点で人との繋がりは始まっている、
ということを意識することだと私は思います。
是非、参考にしてみてください!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
めざせ飲食店開業!その2~コンセプトの決め方~
どうも、あに様です。
お店を始めるにあたってコンセプトを決める、というのがまず最初の仕事になるのではないでしょうか。
コンセプトとは日本語にすると「概念」
つまり、企画の方向性です。
といっても、
なんかザックリしていてよくわからんし
という方。そもそもザックリした言葉なので、まあ普通そんなもんです。
じゃあ、何を決めればいいのだろうと言う方には、まず下記の通りにまとめてみてはいかがでしょうか。
1.何を目的にするのか
前記事でも少し語りましたが、やはりこれがまず大事です。
規模に関わらずどの会社でもスローガン、つまり企業理念のようなものがあります。
簡単に言うと「こうやって世の中に貢献するんだあ!」みたいなことです。
そのお店を出すことによって世の中に、又はお客さんにどんな影響を与えていくのかということです。
これがないとお金儲けのことしか考えないお店になってしまい、結果儲かればなんでもかまわない、極端に言えばお客さんのことなんて二の次!という思考になってしまいがちだからです。そうなれば人は感謝の気持ちを忘れ、前向きに働く意欲もなくなります。
ですので、ユーザーに何を伝えていくのかという部分はとても大事なんです。
一例を上げると…。
例:松下幸之助さんの場合(※注 あに様的に解釈)
※経営のGODとか言われてる人、パナソニック(元松下電器)の創業者
「産業人の使命は貧乏からの克服なのです。我々の目的は水道から当たり前のように水が出るように、便利で人の役に立つものを誰もが手に入れれる価格で提供し、人々を幸せにすることなのだ」
こんな感じです。
ただ、このように松下さんのようなBIGな話でなくてもいいのです。
お客さんが喜んでくれる姿、そしてその過程を想像してみましょう。
2.何をウリにするのか
目的が決まれば当然何を売るのかという話になりますよね。
この辺は誰もが最初に考えていることなのではないでしょうか。
売れるものは色々あります。物、サービス、技術、様々ですよね。
こんなメニュー出したいな、とか。
開業を考えている方ならそんなことはよく考えているはずです。
ただ、大事なことは「うちの店の強みはこれや!」っていうやつです。
価値観というものは人それぞれ違いますが、ただ言えることは世の中に不足しているものや今はまだないもの、利便性が高いものであるほど総じて価値が高くなります。
つまり、人が感動できる何かがなければ価値は生まれません。
そして、価値がないものは売れません。売上が立たなければ店は潰れます。
ポケモンのレアカードが高値で売れるのは世の中に少ないけどほしい人は多いからだし、スマホが普及しているのは皆が超便利だなこれ、と思うからですよね。
ですから繁盛店を目指すなら差別化、が必要なわけです。
一つだけアドバイスするなら「ちょっとやりすぎ?」
ぐらいがちょうどいいと思います。
ある意味、常識は捨てましょう!
他店で同じことをやっていても、売上は伸びないからです。
飲食であれば商品そのものの魅力なのか、味なのか、値段なのか、サービスなのか、空間作りなのか、提供の仕方なのか、店によって様々な特色があると思います。
自身が考えたそのウリになぜ価値があるのか。
自身に問いかけてみましょう。
3.どんな客層をターゲットにするのか
売るものを決めると同時ぐらいに考えなければいけないことかもしれません。
そう、どんなお客さんに来てもらうの?又は買ってもらうの?ってことです。
なぜこれを考えなければいけないかというと、理由は下記の通りです。
- 内装や空間作りに影響が出る
- 価格に影響が出る
- メニューに影響が出る
例えばサラリーマンとOL、どちらも会社員には違いありませんが男性と女性とではやはりニーズは違いますよね。
サラリーマンならシンプルで落ち着いた雰囲気を好むでしょうし、女性なら綺麗でおしゃれな空間を好みます。
例えばBARを経営するにしても、若い人向けならカジュアルな内装で音楽の音量も大きめがいいし、中年層向けならシックで落ち着いた雰囲気を好むでしょう。
価格やメニューだって違ってきます。
お小遣い制の学生さんをターゲットにするなら1コイン以上もするドリンクは飲まないでしょうし、大人向けならば価格が高くても売れますが味の質は求めてきます。
最近の学生はちと金持ちすぎる気がしますがけしからんっ。
料理だって、質なのか、量なのかによって客層も変わります。
OLや女性をターゲットにしているのに
「豚丼300g大盛り定食、へいお待ちぃっ!」
とかやっても
「デブって言いたいのか貴様、埋めるぞ」
とか言われてしまいます。
要するにウリにするものと相性が良くないといけません。
4.まとめ&たいせつなこと
いかがでしたでしょうか?
世の中には飲食開業のススメ!みたいな本とかいっぱいあるので、
これぐらいのことは大抵書いてある内容です。
そういう本もたまには読んで勉強してみるといいですよ!
ただ最初にオススメしたいのはこのコンセプトを必ず紙などに書いてみることです。
実際に自身の手で書いてみると頭の中身が整理でき、また自分の考えに足りないものがあった場合にはそれに気づくことができるからです。
漠然と考えているだけでは掘り下げができません。
最後にとてもたいせつなことを言いますが、コンセプトはブレちゃいけないんです。
店は生き物ですから、メニューを更新したり、材料費が変われば価格を変えなければいけない時もあります。
ただ、むやみに変更するものではないのです。
例えば飲食店が最も潰れやすいのは創業してから3年目と言われています。
これをある本で読んだ時、私は意外だと思ったのですが理由を知った時に少し納得しました。
やはり人間って欲深いんですよね。
1年目から2年目にかけて利益が出ると
「ようしっ!うちの店も客がついてきたから
3年目からは利益倍増計画だぜヒャッホゥ!」
という感じに無闇に料理や材料の量を減らしたり、
無駄に人件費を下げてしてしまうんです。
するとどうなるか…。
店のクオリティが下がります。
お客さんはバカじゃありません。特に常連さんであれば変化にはすぐ気づくんです。
みなさんにも経験ないですか?
「昔は味よかったんだけどなぁ、あそこ」という感想。
私にもあります。
みなさんのお店がそうならないためにも、しっかりここは固めていきましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
めざせ飲食店開業!その1~お店を始める前に必要なこと~
はじめまして、あに様です。
私は現在飲食業の経営に携わっています。
今までの経験やこれからの出来事も含め、
これから飲食店の経営を考えている方にとってためになるようなネタを書ければいいなと思っています。
よろしくお願いいたします。
初投稿なので自己紹介でも書こうと思いましたが、、、。
ま、ぶっちゃけ誰も興味ないと思うんで書きません。
や、めんどいとかじゃないよ?ほんとだよ?
さて、今回の本題です。
飲食店を始めようと思われてる方は世の中結構いるんじゃないかなって思います。
この業界って簡単に誰でも始めれるのが最大の特徴なんですよね。
経験や知識があまりなくてもできちゃうってことです。
ただ、開業率も高いこの業界。廃業率も全業種の中でぶっちぎりで高いです。
近年のデータで全業種の廃業率がだいたい10%ぐらいだとすると、
飲食業は19%ぐらいだと言われています。
倍近いですね。
ちなみに、10年続く飲食店は10%ぐらいだそうです。
ゲロ厳しいね。
この事実をまずしっかり認識してやっていかなければなりません。
ただ、開業を考えている方は最初に大抵こういうことを考えています。
「FLコスト(原価率)をしっかり設定しよう」
「初期費用はなるべく抑えて」
「回転率をどうやってあげようか」
「価格は競合店に比べて高すぎないかな」
確かにどれも大切なことではあるかもしれません。
ただし、個人的にはもっと大切にしなければならないことがあると思っています。
それは何かを言うと、
「なんのために店をやるのか」
ということです。
そんなこと考えたこともない、という方。
その場で手を挙げましょう。
ええ、いいんです。私も以前はそうでした。
これを聞かれてすぐに答えれる人はとても真面目に店経営を考えていると思います。
でも、これが一番大事なんですよね。
そもそも飲食業とはサービス業です。
お客さんからすれば料理なんて家で食べればいいものをわざわざお店に行って、
しかもいつもの夕飯代よりバカ高い金を出して買うわけです。
美味しいものが食べたい、丁寧に接客でもてなしてほしい、そう思うのは至極当然です。
そのお客様にどんなサービスを提供できるのか、が大事なわけです。
この商売が成り立つには、必ず必要なものがあります。
それは「人」です。
人と人がそこにいて初めて商売になる、それが飲食店でありサービス業なのです。
当たり前と思うかもしれませんが、人は存外これを忘れてしまうんです。
つまり、他人(ひと)の気持ちをきちんと考えなければいけないってことです。
何に、どんなことに、喜んでもらえるのか、逆にされたら嫌なこともあります。
また、現代社会においてAIだとかITだとかが小粋に経済戦争などもしておりますが、
忘れてはいけないのです。どんな商売であっても最後にたどり着く場所が「人」であるということを。
私は現在携わっている飲食事業を開業するにあたって、事業計画書を作りました。
その時、思ったのです。「なんで飲食なんだっけ?」って。
時間をかけて自分と向き合い、その結果、私は事業目的という欄にこう書きました。
「人と会いに来るのが楽しみになる店にすること」
思い出したのです。
人の役に立って、はじめて「ありがとう」と言われる喜びを。
クレーム社会と言われるストレスとネガティブに溢れたこの日本に、
私はどうしても元気になってもらいたい、笑顔になってもらいたい。
だからこのサービス業なんだ。
それこそが私の目指すべき志しなんだと。
現在、店ではスタッフとお客様たちの笑顔であふれている、、と私は思っています。
ネットやスマホ、SNS、便利な世の中になっていく一方、人との繋がりはどうしても薄れがちです。
でも、私は証明したいと思ったのです。
AIもITもなくたってビジネスは成り立つのだ、と。
あなたはなんのために飲食店をやりますか?